介護が必要になった時のために準備しておきたい介護のお金

「将来、親の介護にどれくらいお金がかかるのか不安…」、「介護のお金は誰がどこから支払うべき?」など、大切な家族の介護に備えてお金の不安は尽きないものです。介護にかかるお金は介護保険サービス費で賄うのが基本ですが、初期費用や介護保険サービス以外の費用も発生します。在宅介護か施設介護かで費用の目安も大きく変動するため、将来に備えて全体像を把握しておくことが大切です。

今回は、介護にかかるお金を分かりやすく徹底解説します。介護にかかる平均期間と総額の目安を紹介し、介護に必要なお金にはどのようなものがあるのか、どう準備するのかを解説するので、ご参考にしてみてください。

介護にかかる平均期間と総額の目安

介護が必要になった時のために準備しておきたい介護のお金01

生命保険文化センターが行った「生命保険に関する全国実態調査(平成27年度)」によると、介護期間の平均は約5年となっています。また、同調査では住宅改修や介護用ベッドの購入といった一時的な費用の平均が約69万円、月々の費用の平均が約7.9万円となっています。

これらを平均期間の約5年間で計算すると、介護にかかる総額の目安は約550万円となります。ただし、在宅介護か施設介護か、あるいは要介護度によって金額は大きく変動します。収入によって負担額が変動する介護保険サービスや、自己負担額が一定の上限を超えた場合に申請できる高額介護サービス費制度もあるので、積極的に活用しましょう。

介護に必要なお金にはどのようなものがある?

介護が必要になった時にかかるお金は、大きく分けて「介護保険サービス費」と「介護保険サービス以外の費用」に分けられます。それぞれの負担範囲や対象を理解しておくことで、全体の費用目安がみえてくるでしょう。介護保険サービス費と介護保険サービス以外の費用について詳しく解説します。

介護保険サービス費

介護保険サービス費とは、介護保険を申請した後に利用できる介護サービスを使ったときにかかる費用です。自己負担額の限度は収入によって違います。これまで自己負担額は原則1割で、一定額以上の収入がある人は2割負担でした。しかし、介護保険法改正により、現役並みの所得のある人は2018年8月より3割負担となります。3割負担の対象になるのは、約12万人で介護保険利用者の3%程度です。この基準となる所得は家族構成や年金の額によって違うので、自治体等で確認しておきましょう。

また、介護保険サービス費は、どのようなサービスを使うかによってもかかる費用が変わってきます。一般的に施設に入所した方がかかる費用は高くなります。在宅の場合はどのようなサービスをどれくらい使うかによって変わるでしょう。

介護保険サービス以外の費用

介護保険サービス以外の費用には、毎日の食費やおむつなどの消耗品、医療費などがあります。施設に入所している場合、食費や理美容代などは介護保険サービスの適用外になります。

しかし、おむつ代は介護サービス費に含まれているため、別途必要になるようなことはありません。在宅では、お弁当の配食サービスは介護保険サービスの対象となりません。また、病院への交通費、遠方に住む家族が介護のために帰省する費用なども適用対象外です。

実際に必要になる介護のお金はどれくらい?

実際に必要になる介護のお金は、在宅介護と施設介護で大きく変わります。一般的に、在宅介護よりも施設介護のほうが費用は高額になる傾向にあります。実際に必要になる介護のお金について詳しく解説します。

「在宅介護」でかかる費用の目安

家計経済研究所が行った「在宅介護のお金と負担2016年調査」によると、在宅介護の費用の平均は1人当たり5万円となっています。このうち介護サービス費の平均は1万6千円で、要介護度が上がるほど支出も上がっています。しかし、介護サービス外の費用では要介護度4での支出が最も高く、平均は3万4千円でした。支出費の比較では中央値を使うこともあります。

なぜなら、平均値は費用の合計を人数で割るため、少数でも高額な費用を出した人がいると金額が上がるからです。中央値で見た在宅介護の費用は、介護サービス費6千円、介護サービス外で3万3千円です。平均値との差があるのは、高額の支出があった家庭が一定数いるためと考えられるでしょう。

「施設介護」でかかる費用の目安

施設入所の場合は、どのような施設を選ぶかによって費用に大きく差が出ます。介護保険施設では入居一時金などの初期費用は必要ありません。特別養護老人ホームや介護老人保健施設では、毎月約10万円が基本費用の目安です。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などでは初期費用としてまとまった金額が必要になるほか、毎月の費用も介護保険施設に比べると高くなります。

それぞれの施設によって大きく異なるため、入居したい施設に直接確認しておく方がよいでしょう。グループホームの場合、初期費用がかかるものの、有料老人ホームなどに比べると少額です。ただし、毎月の費用は約18万円と介護保険施設に比べると高くなります。どの施設もそれぞれで値段が変わりますので、入所を考える時には直接施設に確認しましょう。

介護が始まるときに必要な「初期費用」にも注意

介護が必要になったときに見落としがちなのが、介護を開始するタイミングで必要となる「初期費用」です。在宅介護を選択する場合、自宅をバリアフリー化するための住宅改修や、車椅子・介護ベッドといった福祉用具の購入・レンタル費用などがかかります。

施設介護を選択する場合は、施設によって数十万〜数百万円以上の入居一時金が初期費用として必要になることがあります。介護生活をスムーズに始めるためにも、月々のランニングコストだけでなく、初期費用を考慮した予算を組んでおくことが大切です。

介護のお金はどう準備する?

介護が必要になったとき、必要になるお金は基本的に年金から支払う人がほとんどです。しかし、有料老人ホームなどの初期費用が大きくかかる施設へ入所する場合には、ある程度まとまったお金を用意しておかなければなりません。まだ十分な資金がない時には、今から少しずつためておく必要があります。積立預金などを利用して毎月決まった額を貯めていくと良いでしょう。また、いざ介護が必要になった時には、負担を軽減する制度もあります。

介護保険を利用していて自己負担額が一定の上限を超えた場合には、「高額介護サービス費」の申請をすると上限を超えた額が払い戻されます。ただし、施設などの住居費や食費、差額ベッド代、生活費や、在宅での福祉用具購入費などは対象外となるため注意が必要です。

介護費用とともに医療費も高額だった場合には、「高額医療・高額介護合算制度」の利用が可能です。1年間の医療費と介護保険の自己負担額を合計し、限度額を超えた分が支給されます。しかし、制度を利用する条件が細かいので、利用したい場合は役所の医療保険の窓口で相談してみると良いでしょう。このほかに、医療費控除の対象になる介護サービス利用料もあります。介護保険サービス利用料の領収書は保管しておき、確定申告の時に相談してみると良いでしょう。

介護にかかるお金を把握して早めに備えましょう(まとめ)

介護に必要な期間は平均約5年、総額の目安は約550万円ですが、在宅介護か施設介護か、要介護度などによって費用は大きく変動します。月々のランニングコストに加え、住宅改修や入居一時金などの初期費用も考慮した予算を組むことが大切です。費用は基本的にご本人の年金や貯蓄から支払うのが理想ですが、不足する場合は今から積立預金等で備えておきましょう。

また、「高額介護サービス費」や「高額医療・高額介護合算制度」といった負担を軽減する公的制度、医療費控除などを把握し、積極的に活用することも大切です。
早めに介護のお金の全体像を理解し、見通しを立てて老後に備えましょう。

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【監修】池原アニー充子(終活専門相談員)

池原アニー充子

これまでの略歴

終活サポート専任講師 エリアマネージャー
終活プロデューサー(終活P) 
身元保証 / エンディングノート講師
遺言作成講師 / 認知症サポーター

2024年6月に2級ファイナンシャル・プランニング技能士
(国家資格)取得
2024年3月にジェロントロジー・マイスター
(日本応用老年学会認定資格)取得
2026年1月にAFP(日本FP協会認定資格)取得
金融老年学のプロとして、主にお金の切り口から
終活のお話をさせていただきます。
兵庫県西宮市消費生活関連講座講師、
西宮市公民館地域学習推進員会講座講師です。

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